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紅の第2作目「きらめきドリーマー」配信中

2008年07月01日

第23話 騎士(ナイト)の誓い(前編)

 カイト王子とミクの仲睦まじい姿を目撃した王女は、ショックを受ける。緑の国での買物をおわすと寝込んでしまった。そんな状態の中で、国王との会談が始まる。

懐剣

 レンは、名前を呼んでいる男に、耳打ちしている次席大臣の召使を見ていた。とすれば、あの男は次席大臣だろう。

 「国王様におかれましては、」王女が挨拶がはじめた時、国王が突然話を始めた。
 「ところで、王女とやら、そちはいくつになる?」
 「14歳になります。」
 「そうか、小娘ではしょうがないのかも、しれないな」
 「砂漠の小娘ですから、何も知らないでしょう。」国王の右側に立っている、次席大臣が言った。

 「リンとやら、何も知らない様子だから教えてやろう。ここは、謁見の間で目の前にいらっしゃるのは、国王様である。謁見の間では、国王様の前に出たのなら、お前が出てくる前の貴族がやったように跪(ひざまず)いて挨拶をしなさい。それが、謁見の間の仕来(しきた)りです。そちの国の謁見の間でも同じではないのか?さあ、跪いて挨拶しなさい。」王女は、キッとした目で、次席大臣を睨んだ。しかし、国王に向き直ると、跪き挨拶をするのだった。
 「失礼いたしました。リンにございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。」

 「小娘にしては、上々だ。それからついでに教えておく。お前が申込んだ『謁見受付所』は、庶民用の受付所だ。そこの受付嬢は、最近はいったものだから、よくは知らんのだろう。たまたま、わしの召使がいたから良かったものの、そうでなければ、お前は、庶民と一緒に謁見する処だったのだぞ。わしの一存で貴族と一緒に、謁見できるように取りはからったのだ。感謝してもらわねばな。」次席大臣の話は続く。
 「国王様と謁見する場合は、それ相当の貴族に挨拶して、その貴族に国王様との謁見を打診してもらうものじゃ。よく覚えておきなさい。」

 王女は、黙って聞いていた。そこにまた、国王が口をはさんできた。
 「そちは、まだ14歳で女王も具合が悪く寝込んでおると聞く。しかし、国王と逢うときは、それ相応の挨拶があるものではないのか。」少し不機嫌な声で、とがめるように話かけてきた。
 それを聞いていた次席大臣の顔色が変わった。レンは、それを見ていたが、まだどんな意味なのか判らないでいた。
 「なんの事でしょう?献上品でしたら、かなり前にお送りしています。この間の私と国元の大臣との手紙の返事に、そう書いてありましたので、間違いありません。」
 「その受取人の名前と受取日は、どうなっておる?わが国のしきたりで、贈答品があった場合は、必ず書き込む事になっておる。」次席大臣が慌てた様子で尋ねてきた。
 「いえ・・・。そのような事は、書かれていませんでした。」
 「では、そちの見間違いであろう。贈答品をもらって、受取りの決まりを守らない家臣はいないからな。」国王が言った。
 「さようでございます。小娘ゆえ仕方がありませんな。今後気をつけなさい。さあさあ、そこを退きなさい。お前ばかりに時間をとる訳にいかないのだからな。」そう次席大臣が言った。

 さっきから聞いていたレンは・・。頭が、真っ白になっていた。
 その時の事は、鮮明に覚えていた。まるで、時間が止まったように全てがゆっくりと動いていた。
 『僕の姉に無礼は、許せない。』そう思うと、腰の懐剣を抜いた。左手に持ち柄の後ろに右手を当て、少し腰を落とした。国王に向かって走り出そうとして、足を一歩踏み出した時、王女がこちらに向きを変えた。
 レンの目の前で、王女の髪が一瞬揺れた。レンの動きが止まった。レンは、何が起きたのか理解出来なかった。
 懐剣が動かない・・・。レンが、手の先を見た。王女の両手が刃をしっかりと握っていた。その手からは、血がながれ床に滴(したた)っていた。
 「無礼はおよしなさい。」王女の声が耳に刺さった。
 レンは、ハッと正気に戻った。懐剣から手を放し、その場に腰が抜けたように座った。
 王女は、国王に向き直り頭を下げて言った。
 「私の従者が、取り乱しました。見苦しいところをお見せしまして、申し訳ありませんでした。」レンも頭を床に付けた。

 「近衛兵。こやつらを捕らえよ。」次席大臣の声が、謁見の間に響く。
 「待たれよ。」国王の左側にいた男(右が次席大臣なら、こっちは主席大臣か。)が近衛兵に声を掛けた。
 「聞けばこの王女は、黄の国の支配者という。確かにそこの従者は、国王様に刃を向けた。これは重罪であるが、王女がその場で止めている。こちらが処罰の対応を誤ると、国同士の紛争になる恐れがあります。」主席大臣は、少し考えて話を続けた。
 「国王様。王女が取り押さえて、こちらには何の被害も無いわけですから、今回の処分は黄の国の王女に任せてはいかがでしょうか。」
 「そうはいきますまい。国王様に対しての非礼は、ここにいる全ての貴族が見ておる。わが国だけならまだしも、他国の貴族もおられる。」次席大臣の話は続く。
 「国王様。このもの達に厳罰をもって処分をしてください。」
 「双方の大臣の言う事ももっとじゃな。さて、いかがするか。」

Fin


KAITOの代表曲


眠れる森の2人の恋物語(ひみつ)
kaito_miku_200807010650.jpg
イラスト:ぎんたさん
ニックネーム 紅 at 05:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | 第1章 第1部 悪ノ王女
この記事へのコメント
イラストは、ぎんたさんです^^
ちょい遅くなりましたが^^ カイト/ミク編いれます^^
Posted by 紅 at 2008年07月01日 06:59
 おそらく、ここまでの展開は、皆さん予想していたかと思います^.^

 国王がどうするのか・・・としようとしたら・・・になって・・・えぇー となるはずです。 次回お楽しみに

 ここいらで焦らせるのは作者の特権だな・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ...
Posted by 紅 at 2008年07月01日 07:03
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